クチナシの基本情報
梅雨時の6~7月ごろに大きく純白な花を咲かせるクチナシ。ジャスミンに似た甘い香りが印象的で、キンモクセイやジンチョウゲとともに三大芳香木とも言われています。
また秋ごろになると果実をつけ、黄色の染料として使われたり、漢方では山梔子(さんしし)とも呼ばれ止血や打撲などに用いられたりするんだとか。
なお庭木として多く出回っているのはオオヤエクチナシというもので、花はバラのような八重咲でキレイですが、こちらは実がつかない品種となっています。
別名 | センプク/Cape jasmine(ケープジャスミン) |
---|---|
学名 | Gardenia jasminoides |
科属 | アカネ科/クチナシ属 |
分類 | 花木 |
耐寒性/耐暑性 | 耐寒性やや弱め/耐暑性強め |
開花 | 6月~7月 |
用途 | 鉢植え/地植え |
クチナシの育て方
そんなクチナシですが、毎年美しく香りのいい花を咲かせるためにはしっかりと育て方を覚えるのが大切です。
まずは植え付け方法や肥料、剪定時期など基本の育て方をご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
クチナシの植え付け
クチナシを植え付けるなら、4~5月ごろの春または9月ごろの秋がおすすめ。日陰でも育てることは可能ですが、キレイな花を咲かせるためにはやはり日当たりは欠かせないので気を付けましょう。
具体的には日当たりがいいのはもちろん、夏の西日や冬の寒風が当たらない場所を選ぶといいですね。
鉢植えの場合は、赤玉土と腐葉土もしくは黒土と腐葉土を7:3くらいで混ぜたものがおすすめです。
またクチナシは乾燥を嫌うため、植え付けた後は水が切れしないように注意してください。
クチナシの植え替え
クチナシを鉢植えで育てている場合、2~3年に1度植え替えが必要になります。
植え替えに適した時期は、10~11月と5~7月上旬ごろ。ただし寒さに弱いため、寒くならない時期に植え替えを終わらせる必要があるでしょう。
植え替え時に土をすべて落としてしまうと生育が悪くなり枯死する可能性もあるため、土を軽く1~2割ほど崩してから植え替えるのがおすすめですよ。
またこのとき、根を傷つけないようやさしく植え替えてくださいね。
クチナシの肥料
クチナシの肥料は、植え付け時の元肥として緩効性肥料を与えるほか、追肥として2月と8月の年2回与えましょう。
2月は寒肥、8月はお礼肥と呼ばれるもので、2月は油かすや緩効性肥料、8月は化成肥料がおすすめですよ。
クチナシの剪定
クチナシの剪定に最適な時期は、花が咲き終わった直後です。大体7月上旬~8月上旬ごろですね。
この時期を逃すと、花芽を切り落とすことになり、翌年の開花に影響が出ます。花芽を切り落とさないよう、剪定の時期には注意しましょう。
クチナシの害虫
クチナシを育てていると、害虫の被害に遭うケースが多いと思います。
なかでもクチナシの害虫として代表的なのはオオスカシバの幼虫で、クチナシの葉っぱを食い荒らされているのを見つけたらまず、このオオスカシバの幼虫を疑ってみてください。
オオスカシバの幼虫はおしりに角のようなものを生やしているのが特徴。葉に卵を産み付けていることもあります。
またこの幼虫は花も食べてしまうので、気付いた時には木が寂しくなっていた…なんてことにもなりかねません。早め早めの対策が必要ですよ!
オオスカシバの幼虫の予防方法としては、防虫ネットを使うのがおすすめ。クチナシが小さいうちなら、洗濯ネットをすっぽり被せてしまうのも簡単でおすすめです。
またすでにオオスカシバの幼虫がついてしまっている場合は、割り箸などを使って地道に1匹ずつ駆除していくか、子供やペットがおらず使うのに抵抗がなければ、農薬などの薬品を使うのもありでしょう。
クチナシの花が咲かない原因は?
クチナシが咲かない原因はいくつかありますが、代表的なのが「剪定を適切に行えていない」「根詰まり」「肥料切れ」です。
原因1 剪定を適切に行えていない
まずクチナシが咲かない原因でとくに多いのが、このケース。前述の剪定の項目でも「剪定の時期に注意」とご紹介しましたが、時期を間違えると花芽を切り落とすことになりかねません。
結果として翌年花が咲かないというトラブルにつながるので、剪定の時期は必ず守りましょう。
原因2 根詰まり
これはクチナシを鉢植えで育てている場合ですが、蕾がついても落ちてしまい花が咲かないことがあります。
この場合は根詰まりをしている可能性があるので要注意。とくにここ数年植え替えを行っていないって人は、よく確認してみましょう。
原因3 肥料切れ
クチナシに限った話ではありませんが、花を咲かせるのにはエネルギーが必要です。そのため肥料切れなどを起こすと、花が咲かない原因につながります。
樹木だからと放ったらかしはよくないので、適切に肥料を与えてくださいね。
クチナシが枯れる原因は?
枯れる原因として考えられるのは、「水切れ」と「葉焼け」です。こちらもそれぞれ解説していきますね。
枯れる原因1 水切れ
まず水切れですが、クチナシは乾燥を嫌う植物なので、水切れは大敵。とくに鉢植えの場合は、注意しましょう。
また地植えしている場合であっても、雨が少ない場合は適度に水やりを行ったり、夏の強い西日が当たる場所に植え付けるなど、対策が必要です。
枯れる原因2 葉焼け
もうひとつが葉焼けですが、これは葉の温度が上がり、組織が壊れてしまうことが原因といわれていて、一度壊れてしまうと戻りません。
そのため葉焼けをするとクチナシの木自体が弱ってしい、枯れる原因になってしまうんですよ。
とくに季節の変わり目は要注意!また植え付けるときは長時間直射日光に当たる場所は避けた方がいいでしょう。
クチナシの花言葉と誕生花
クチナシの花言葉には、「喜びを運ぶ」「とても幸せです」「優雅」「洗練」などがあります。クチナシの甘い香りが強く、遠くまで届けることができることが由来しているものが多いです。
また5月6日・6月7日・6月30日・7月7日の誕生花でもあります。