シャクナゲの基本情報
豪華でありながら、どこか気品のある花姿が美しいシャクナゲ。花木の女王とも呼ばれる、ツツジ科/ツツジ属の植物です。
簡単に分けると、日本シャクナゲのほかに西洋シャクナゲと呼ばれるものもあり、西洋シャクナゲの方がお店で見かける機会が多いんじゃないでしょうか。これは海外で改良された園芸品種の総称なんですよ。
なお、毒性のある植物のため注意してくださいね。
科属 | ツツジ科/ツツジ属 |
分類 | 低木/高木 |
耐寒性・耐暑性 | 耐寒性強め/耐暑性やや弱め |
開花 | 4月~5月ごろ |
用途 | 地植え/鉢植え |
シャクナゲの育て方
まずは基本の育て方をご紹介。植え付け方法からお手入れ方法まで、それぞれ順に詳しくお伝えしていきます。
植え付け
植え付け時期は、3月~4月ごろか9月~10月ごろ。用土は排水性と保水性の良い酸性土壌を好みます。
鉢植えの場合、シャクナゲ専用培養土があるので、これを使うと簡単です。
自分で作る場合は、鹿沼土4:ピートモス4:腐葉土2や赤玉土4:ピートモス3:鹿沼土2:バーミキュライト1などの割合が良いですね。
花壇などに地植えする場合は、場所選びをしっかりと。西日を避けられるような場所が向いています。
また連作障害を起こす植物なので注意しましょう。
場所が決まったらあらかじめ鹿沼土と腐葉土を混ぜ込んで準備してから植え付けてください。
肥料
肥料を与えるタイミングは、花が終わった後・9月~10月ごろ・2月ごろの3回。有機質肥料などを与えるといいでしょう。
なお地植えの場合は根元近くに与えるのではなく、枝の伸びている下辺りに軽く埋めるといいですよ。
植え替え
鉢植えで育てている場合は、植え替えも必須です。
時期は3月~4月ごろか9月~10月ごろ。様子を見ながら、ひと回り大きい鉢へ植え替えましょう。
花がら摘み
花が咲き終わった後の花がらをそのまま放っておくと、養分が取られ花付きが悪くなりかねません。美しい花をまた楽しむためにも、忘れずに花がら摘みを行いましょう。
やり方は簡単で、シャクナゲは子房という部分に繋がって複数の花が咲きますが、ひとつずつ取るなら花の下から。すべて咲き終わったら子房の下から切り取ります。
いずれにしても、この子房の部分は切り取ってくださいね。
剪定・芽かき
シャクナゲはあまり剪定を必要としない植物です。行う場合、時期は4月~7月ごろで、花後早めのタイミングがおすすめです。
伸びすぎた部分などを切る程度に留め、あまりバッサリ切らないように注意しましょう。
また剪定を行わない代わりに、芽かきという作業があります。芽かきを行うことで脇芽が増え、花数を増やすことにも繋がりますよ。
時期は同じく4月~7月ごろ。芽が柔らかいうちに摘み取ることが大切です。
摘蕾(てきらい)
たくさん蕾がついてしまっているときは、エネルギーを使いすぎないためにも蕾を摘み取る「摘蕾(てきらい)」を行いましょう。
時期は秋ごろ。だいたい半分くらいの量になるよう調節して摘み取るといいでしょう。
シャクナゲの元気がない・枯れる原因
「なんだか元気がない…」「枯れてきた…」なんてことありませんか?そんなときはトラブルを起こしている可能性があります。
ここでは原因としてよく考えられるものをピックアップしていくので、チェックしてみてくださいね。
病気
シャクナゲにはさまざまな病気が発生する可能性があります。元気がない・異変がある・枯れてしまったという場合は、病気になっていないか様子を確認してみましょう。
なかでも枯れる原因になるものでは、褐斑病(かっぱんびょう)や立枯病(たちがれびょう)などが挙げられます。
褐斑病は葉焼けが原因で発生しやすいため、直射日光を避けるのが大切。立枯病は感染が広がるため、残念ながら処分と土壌消毒などが必要です。
またほかにうどんこ病や灰色カビ病、すす病なども発生するので、必要に応じて対処してくださいね。
生育環境
シャクナゲを健康に育てるために、適切な生育環境は欠かせません。元気がない状態を放っておくと最悪の場合枯れてしまう可能性もあるので、環境の見直しも行いましょう。
たとえば水はけが悪い土に植えている場合や、直射日光で葉焼けを起こし褐斑病になっている場合などですね。
シャクナゲは排水性と保水性の良い酸性土壌と、涼しく西日が当たらない半日陰の場所が適しているので、見直してみましょう。
害虫被害
シャクナゲは害虫被害にも要注意です。とくにハダニやアブラムシなどが発生しやすく、ほかにグンバイムシやベニモンアオリンガなども発生します。
放っておくと養分を吸われて弱ったり、葉や蕾が食べられたりと悪影響なので要注意。害虫が発生していないか適宜確認して、早めに対処しましょう。
剪定
意外に思う人もいるかもしれませんが、シャクナゲは剪定にあまり強くありません。そのためバッサリ切りすぎてしまうと枯れる原因になるので注意しましょう。
そもそもシャクナゲは剪定があまり必要ではなく、伸びすぎた部分を切るくらいに行うのがベスト。
基本的な作業では、「剪定・芽かき」でご紹介した芽かきという作業が一般的なので、切りすぎに気を付けてくださいね。
シャクナゲの花が咲かない原因
「楽しみにしてた花が咲かない!」なんてトラブルもあると思います。以下によく考えられるポイントをご紹介していくので、当てはまるものがないか確認してみてくださいね。
根詰まり
鉢植えのまま植えっぱなしにしてしまうと、根詰まりして生育に悪影響になります。結果花が咲かない原因になるため、注意しましょう。
「植え替え」の項目でご紹介している通り、適切に植え替えを行ってくださいね。
剪定時期
あまり剪定を必要としないものの、必要に応じて行うこともあるでしょう。このとき、剪定時期を間違えると花芽を落としてしまいかねないので注意しましょう。
「剪定・芽かき」にも記載している通り、剪定を行うなら4月~7月ごろの花後早めのタイミングで。遅れないよう気を付けてくださいね。
害虫被害
害虫は花が咲かない原因にもなります。蕾を食べられてしまえば当然花が咲かなくなりますし、養分を取られ株が弱ってしまっても花が咲かない原因になりかねません。
そのため害虫が発生していないかよく確認するほか、見つけたら早めに対処しましょう。
隔年開花
去年はたくさん咲いていたのに今年は咲かない…なんてときは、隔年開花の可能性があります。簡単にいうと、エネルギー切れのようなものですね。
たくさん咲いていたせいで疲れてしまい、開花が一年おきになってしまうんです。
ほかの植物でも起こることではあるのですが、毎年花が楽しめないほか、寿命に悪影響を及ぼす可能性もあるので、多すぎる蕾を取る摘蕾(てきらい)を行うといいでしょう。
詳しくは「摘蕾(てきらい)」の項目でご紹介しているので、ぜひご覧ください。
花がら摘み
花が咲き終わった後の花がらを放っておくと、花付きに悪影響を及ぼします。
「花がら摘み」の項目でもご紹介したとおり、花が咲き終わったら子房の下から切り落としましょう。
シャクナゲの花言葉と誕生花
シャクナゲの花言葉は、「威厳」「荘厳」「警戒」「危険」など。
また2月20日・5月8日などの誕生花でもあります。